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星の大地(冴木忍/角川スニーカー文庫)

おすすめされて読みました。全3巻。

砂漠を隔てた二つの国、レーンドラとユハリシュ。予見の力を持つレーンドラの王女・サウラに仕えるアゼルは、突然の王女の自害を聞かされる。それも束の間、『秘術』によって甦った王女は、記憶と力を失い性格も一変。サウラの記憶にある唯一の手がかりとなる人物を探すために出奔した2人は、やがて大国同士の戦争、そして世界の滅亡を巡る渦中に身を置くことになる、というお話。

ファンタジーっぽい世界(しかも大国同士が争っていてこのままでは大きな災厄が訪れようとしている)に遠い昔の科学があって、それは宇宙船でやってきた人達からもたらされていて、その力を王族が密かに継いでる、健の戦いの中に銃や大砲が持ち込まれ、片方の国の科学力のせいで戦争の在り方も変わってしまう、という辺り、荻原規子の『西の善き魔女』を思い出しました。が、エンディングは全く正反対。『西の~』がハッピーエンドであるのに対し、こちらは何というか……バッドというのとは違うような気がするんだけど、やるせない感じにエンドマークが打たれている物語でした。容赦なく人が死ぬよ!メインキャラでも死ぬよ!主人公達も敵役(に見える人)もそれぞれが災厄から人類を救おうとしているのに、その助けようとした人間の愚かさや弱さや自分勝手さゆえに死んでしまうのだなあ。

最後、アゼルが生き残ったのは、これからの小さな希望を伺わせるのかそれとも更なる絶望の始まりでしかないのかな。わたしとしては、彼女なら何処かにいる他の生存者を導いて、たくましくその後の世界を生きていってくれるんじゃないかと思うんだけど。というかそうであってほしいという願望。そうでないと何も救われないじゃないか。(でも多分皆死んでるんだろうなー)


奥付を見ると初版が平成5年とのことです。18年前!すごいなあ。今のラノベって異世界もの少ないし学園超能力or魔法ハーレムものばっかりだしこういう話をもっと出せばいいのに、と思いました。もう流行らないんかな。
まあそもそもスニーカーは作家をがんがん潰していくのをやめた方がいいと思います。好きな作家ほど亡くなったり他社に出奔したりしてるよ……。
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