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大空のサムライ(坂井三郎/講談社+α文庫)

   

旧日本海軍のエースパイロット・坂井三郎氏の自伝。零戦乗りの撃墜王の少年時代から、硫黄島を脱して本土に帰るまでの回想録です。靖国と科博に零戦を見に行ったのに、肝心のこの本をまだ読んでいませんでした。
読んでて、何か、おじいちゃんの若い頃の話を聞いてるみたいな気分になりました(いい意味で。「おじいちゃん」なのは戦争に行った頃の親族は祖父母の年代だから)。本なんだけど、すごく生き生きしているというか、目の前で話を聞いてるみたい。

練習機で訓練しているところとか、B-17を撃墜した時の話とか、内地に帰れなくてラバウルに行かされた時の笹井中尉が介抱してくれる話とか(笹井中尉関連はほんわかエピソードが色々あるだけに坂井さんが負傷して帰還している間に戦死されたのが切ないなあ)、敵基地の上で編隊宙返りとか、セミ訓練とか、印象深いエピソードは沢山あるんだけど、ところどころに空戦相手の生身の死が描かれているところがずしんと来ます。これが戦争というものなんだ、と言いながら敵搭乗員がパラシュートで脱出することを祈ったり、矛盾してるんだろうけど、実際そんなに「敵兵だから」とは割り切れないだろうなあ。朝一緒にいた仲間が帰りにはいなくなってるところも悲しい。上巻の最後の方の、山口中尉の機体が被弾して、本人には何ともないのに、落下傘もなくて脱出できなくて、ジャングルに墜落する……というところとか。敵側の搭乗員の、パラシュートで脱出して無事海上に降りたのに鱶にやられてしまうところもある意味無情だけど。

すごいのが、ガダルカナルでドーントレスの編隊に突っ込んで負傷してるのにラバウルまで帰ってくるところだと思います。しかもちゃんと報告してから医務室行きです(ルーデルの片足吹っ飛んでるのに帰還もすごいと思ったけど)。『永遠の0』にもこの辺りのエピソード出てきてましたね。麻酔もかけずに眼球に刺さったガラスを引き抜く辺りはぎゃっ!となりました。

最後の、「あとがきに代えて」のところで、坂井さんの戦闘機乗りとしての努力や秘訣が書かれているけど、「果たして生まれてから自然に死んでゆくまでの長い期間に、自分が持って生まれた人間としての性能の何パーセントを使って、この世から去って行っているだろうか」という部分にはっとさせられました。「天才」という言葉で片付けてしまうのは簡単だけど、その、性能の使用量のパーセンテージを上げる努力があったからこその撃墜王であって、無事の生還があったんでしょうね。「敵と闘うことより、自分に勝つことの方が、ずっと苦しい」という言葉が、すごく重く感じられました。


あーレベルは低いけど自分との戦いをがんばろう。
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戦争もの続き

百田尚樹の『永遠の0』を先日ようやく読んだので、今度は坂井三郎の『大空のサムライ』を読みました。実はまだ読んでなかったのです。
小説用の本棚の半分は歴史と軍事とハードボイルドなのでそこだけ見ると一見大変硬派なラインナップとなっております。

海軍といえば、父方の祖父は一時期大和に乗ってたという話を聞いたことがあります。といっても祖父本人からではないけど。わたしが物心ついた頃には亡くなってたからなあ。母方の祖父は学徒出陣で満州へ出征していたそうです(実は自分の大学の大先輩だ)。でもやっぱりほとんど話を聞いたことがありません。なかなか聞けないよなあ。

そういえばレッドバロンの映画が何年か前にあったはずなんだけど結局日本未公開?リヒトホーフェンは女性苦手そうなイメージがあるんだけどなー。昔の人なので忘れがちになるけど享年で25くらいなのだ。若い。

高杉さん家のおべんとう 3(柳原 望/MFコミックス)



30過ぎのオーバードクター(後にめでたく助教)が親類の中学生の女の子を引き取ることになる話、の第3弾。元々作者がLaLaで歴史ものを描いてた頃好きでよく読んでいて、それが今青年少女を描いているよーというので読んでみたのです。
それまで顔も合わせたことのなかった2人が突然同居生活をすることになって、不器用な三十男とこれまた不器用な女の子がお弁当作りを通して家族になっていく、その徐々~な感じのところがいいです。じわじわすぎてもどかしいくらいだよ。でもそれがいい。まあ温巳のパワポはどうかと思うけどな!

3巻は巡検とか久留里の野外学習とか温巳の学会とか色々イベント目白押しで、くるりんもこれまで磨いてきた料理スキルで学校のクラスメイトたちとちょっと距離を縮めたり、でもお弁当に虫食で引かれてしまったり(苦笑)虫……は食べる機会もないし、わたしはどうだろ……。
あ、でも赤味噌のハンバーグは食べてみたいです。うちのハンバーグはにんじんとかピーマンが入ってるよ。

あと、懇親会ネタがちょっと他人事じゃないなと思いました。出席者数と料理の量の対比が……あばばばば。

主従まつり

主従だよ!とおすすめしてもらったパンドラハーツを11巻まで一気買いしました(12・13巻はなかった)。5巻までしかまだ読んでないけど黒うさぎさんにめろめろです……じゃなくてまさしく主従!従がほんとわんこだな……。従の方がちっさいと見せかけていきなり成長してしかし実際も年上なのかしら。絵柄も可愛いしこれからが楽しみです。主従好きさんがお薦めする主従ものに外れはない。

あと、急に十二国記が読み直したくなって既刊全部読破した。わかりやすいですが雁の主従が好きです。

とある飛空士への恋歌 5(犬村小六/ガガガ文庫)



恋歌完結編です。こちら空戦目当ての人間ですから途中の巻でめげそうになったけど、最終巻まで読んでよかったーと思わせてくれる作品でした。ツンデレツンデレはまだしも、何か色々とメタ発言とか軽すぎる学園ノリが受け付けなかったんだけど、3巻後半~4巻の巻き返しがすごかった。主人公もちゃんと成長してビルドゥングス・ロマンしてた。あと、最後、彼らの物語はまだまだ続くんだ、という終わり方で、クレア奪還しておめでとう!ラヴラヴ!みたいなハッピーエンドよりも余韻が残っててよかったと思います。
あ、でも若干ボリューム不足は否めないかも。空族の第二王子はどうなったんだ。まあいいのか。

一番好きなシーンは「空の果て」での三機編隊宙返りです。いなくなった子達のことを思い出してうわーやべー泣くーとなりました。やっぱり地上にいる時の彼らよりもあと恋の話よりも空を飛んでいる時の話が好きなのです。

あと海猫さん!追憶から読んでるので皇妃と海猫の登場は嬉しい……。

それから、寮監が何か浮いてるなあと思ってたら、別作品からのスターシステム的登場なんですね(wikipediaに書いてあった)。納得行ったよ。


追憶の映画が今年秋公開のようなので、できたら見に行きたいです。

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